2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2017/4/29

"The Master Algorithm: How the Quest for the Ultimate Learning Machine Will Remake Our World"の第3章を読んだ。ヒュームの帰納法批判の上で帰納的な「学習」を研究する意義とか、データを元に記号主義的な推論を形成する手法が書かれている。哲学をや…

2017/4/28

"The Master Algorithm: How the Quest for the Ultimate Learning Machine Will Remake Our World"の第2章を読んだ。"The Master Algorithm"が実現するかどうかにはあまり哲学的な興味はないが、機械学習について"conceptual model"を作る必要があるという…

2017/4/27

デネットは"physical stance""design stance""intentional stance"という三つの説明レベルを考えている。そしてセラーズによるとそれぞれの説明言語の対象を実在物と扱っていいようだ。それなら"philosophical stance"というものを想定して形而上学的な対象…

2017/4/26

なぜ私たちの予想は当たるのだろう?ヒュームの懐疑論によって「これまでそうだったから次もそうなるだろう」という帰納的な予想はその根拠を失った。これまでそうだったからこれからそうなるという保証はどこにもないのに私たちはそのような形式の予想を行…

2017/4/25

デネットが"From Bacteria to Bach and Bach"で参照されていたPedro Domingosの "The Master Algorithm: How the Quest for the Ultimate Learning Machine Will Remake Our World"を読んでいる。機械学習の導入本で様々なアプローチが紹介されているようだ…

2017/4/24

セラーズ『経験論と心の哲学』を読み終わった。ロバート・ブランダムのコメンタリーを読み終えてこの本もようやく終わりかと思ったら訳者によるコメンタリーが始まったのでびっくりしたが、ブランダムのコメンタリーよりわかりやすかったので許した。訳者に…

2017/4/23

セラーズ『経験論と心の哲学』のコメンタリーを読んでいる。デカルトが主張するような感覚の直接性、つまり「〜と見える」という文が誤ることが無いという性質についての解説が面白かった。残念ながら本編を読んでいても理解できなかったがコメンタリーを読…

2017/4/22

セラーズの『経験論と心の哲学』をコメンタリーを除いて読み終わった。特に面白かったのが「所与の神話」を破壊するための神話と筆者が呼んでいる部分で、そこでは内的思考や感覚が観察可能な行動をモデル化したものと考えられる。まず第一に存在するのは他…

2017/4/21

研究室でフッサールがどこに実在性を認めていたかの話をしていて、そういえばデネットは実在や実体というものをどう考えているのか気になった。"From Bacteria to Bach and Back"での記述によると"manifest image"という世界像上に現れてくるものが"ontology…

2017/4/20

デネットがセラーズの"manifest image"という用語を連発するのでどんなもんかいなと研究室にあったセラーズの『経験論と心の哲学』を読んでいる。今のところよくわからないがとにかく分析哲学だなあという感じがする。聞きかじった知識によるとこの本は「赤…

2017/4/19

デネットの"From Bacteria to Bach and Back"を読み終わった。過去の著作の内容を"manifest image"、パターン認識によるデジタル化、人間によるインテリジェント・デザインといった新しい用語で再構成しながら、機械学習などの最近のトピックも論じるという…

2017/4/18

機械学習に基づいたGoogle翻訳は文を「理解」しているのだろうか。私たちは言葉の意味をアフォーダンス環境内で「有意味なもの」として身につけるが、AIが持つ語彙は事物と結びつけられないただの記号でしかないのではないか。しかしデネットの見解は異なる…

2017/4/17

"From Bacteria to Bach and Back"の最終章"The Age of Post-Intelligent Design"を読んでいる。"The Age of Post-Intelligent Design"というのは、その動作の内容をすべて「理解」することのできないボトムアップ式のデザインを活用していく時代のことであ…

2017/4/16

"From Bacteria to Bach and Back"第14章"Consciousness as an Evolved User-Illusion"を読んだ。概ね"Consciousness Explained"と同じ論旨だが説明の仕方がアップデートされているので面白い。特に興味深かったのが、自己の状態をコミュニケートするために…

2017/4/15

アナログな外界の情報をデジタル化して情報量を減らすことで、先までの予測が可能となる。予想の精度と射程はトレードオフの関係にあるからだ。このデジタル化が他者に対して適用される時、"intentional stance"を見出すこととして機能するようである。 By o…

2017/4/14

研究室の新歓飲み会で呑んだくれて諸頭痛の列がやってきたので早く寝たい。しかしちょっと書いておきたいことがある。今年から赴任された准教授氏にアメリカでのデネットの立ち位置やデネットで論文を書くことについて聞く機会があった。曰く、アメリカにお…

2017/4/13

"From Bacteria to Bach and Back"の今日読んだ部分ではミームと意識の関係が論じられていた。「裸の脳」では意識的な思考ができず、OSに相当するミームに感染して初めて可能となる。 You can’t do much thinking with your bare brain, but armed with thes…

2017/4/12

"From Bacteria to Bach and Back"の今日か昨日に読んだ部分では"intentional stance"を見出すことが「心の理論(theory of mind)」を持つことだと語られていて理解が深まった。ただしデネットは心の理論という用語はあまり良くないと考えているようである…

2017/4/11

ミームがデジタル化という認識のプロセスを経て存在するのなら、それは"competence without comprehension"による文化の進化を成り立たせることにはならないのではないか。しかしパターン認識は対象を理解することを必要とはしない。つまり先の文での認識が…

2017/4/9

"From Bacteria to Bach and Back"の今日読んだ部分ではミーム論への様々な批判を確認した上でそれへの返答が述べられたいた。その中でミーム論はラマルク主義なのではないかという批判があった。遺伝子のエピジェネティクス的な意味ではその批判は的外れな…

2017/4/8

今日はひたすら研究計画書を書いていた。2000字程度と書かれていたので2000字書こうとしたらかなり大変で、結局1日かかってしまった。研究の目的というものを考えるけど、哲学の目的というものが論文一本で達成されるものなのだろうか。これは単に自分が大…

2017/4/7

世界は本来はアナログなものであり、言葉はそれをデジタルに切り取ってしまうらしい。言葉の対象は物体そのものとは限らず、言葉自身もその対象に含まれる。そうすると、アナログ的な差異を切り捨ててできた言葉をさらにデジタル化することになる。デジタル…

2017/4/6

我らが京大哲学研究室には今の教授が職について以来准教授がいなかったのだが、今年から准教授が就任されるらしい。奇しくも進化論の哲学や統計の哲学をやっている方らしく、私がやろうと思っていた分野と被っている。楽しみなような、恐ろしいような。あま…

2017/4/5

修士論文に向けて研究の目的というものを考えている。哲学がやりたいからやっているくらいの適当さで大学院に入ったが、研究計画書やらに書く必要があるので明確化しないといけない。プラグマティズムという考え方を採用するなら、哲学的な真実も人間の実際…

2017/4/4

旅行先なので切れ切れといろいろなことを考えていた。方言というものがあり私も関西弁を使うが、標準語などの他の方言や自分のものと違うイントネーションの関西弁に違和感や忌避感を持ったりする。方言というのも慣習という形の1つのミームだから、それら…

2017/4/2

アマゾンプライムに加入したのでなんか観ようと思って『ゼロ・ダーク・サーティ』を観た。主人公(CIAの女性分析官)の上司が初めは威勢良くて部下に怒鳴ったりしていたのだが、ビンラディン絶対殺すウーマンと化した主人公に行動が遅いと逆に詰められるよう…

2017/4/1

特に嘘をつくこともなく今日も"From Bacteria to Bach and Back"を読んでいる。ミームのトークン/タイプの区別が生物における個体/種に相当するという部分が面白かった。タイプを唯名論的にしか考えないのは、"Darwins's Dangerous Idea"で生物種を唯名論的…

2017/3/31

"From Bacteria to Bach and Back"の今日読んだ部分で面白かったのが、脳のそれぞれのニューロンが利己的である、という論点だった。ニューロンも細胞でありその進化元をたどると単細胞生物に行き着く。ニューロンたちはそれぞれが自己保存を目指すエージェ…