2017/5/23

セラーズの"Science, Perception, and Reality"というか"Philosophy and the Scientific Image of Man"を読んでいると原始的な世界観"original image"が洗練されていって"manifest image"が形成されるという話が出てくる。"original image"においては自然界の様々な対象、例えば木は木であると同時に「人」でもあった。それが洗練される中で人という属性を失い、人であるのは現在私たちが人だと考えるものだけになったのである。そして機械はこの変化の中で人でないもの、自動的に動くものとして分類された。しかしそれが再び"manifest image"における人のカテゴリーに侵入しようとしているという様子を描いたのが人間と区別のつかないAIを描いたSF作品だと言えるだろう。これが文学の中だけの問題で済むかどうかには疑問がある。私たちが持つ"manifest image"はこのようにして常に改訂を迫られているのだ。