2017/5/25

デネットの"Sweet Dreams"を読み終わった。最後の方の章では意識の「名声」モデルに追加して「反響」というモデルがクローズアップされる。意識は単に現れたものの名声によって構成されるのではなく、それら現れが反響することによって構成される。これは具体的にはエピソード記憶として様々な出来事が反芻されたりすることを指す。このように記憶が反響しながらその名声を競い合うことはおそらくミームの生存競争という事態を表しているのだろう。そしてこの反響=自己刺激によって人間は一回の出来事から記憶の反復学習によって習慣を形成することができる。さらにこの自己刺激の習慣自体が文化から得られたミームだとも述べられていた。

Let me sum up. I have ventured (1) the empirical hypothesis that our capacity to relive or rekindle contentful events is the most important feature of consciousness—indeed, as close to a defining feature of consciousness as we will ever find; and (2) the empirical hypothesis that this echoic capacity is due in large part to habits of self-stimulation that we pick up from human culture, that the Joycean machine in our brains is a virtual machine made of memes. (p186~187)

言語化するには大変すぎる記憶の細部なども、反響モデルにおいては自分の脳内で繁殖するミームとして扱うことができそうである。ただこの反響モデルとミームによるソフトウェアとしての意識というモデルがどう一致する(しない)のか自分の中であまり明らかでないのでもう少し考えてみたい。