2017/4/17

"From Bacteria to Bach and Back"の最終章"The Age of Post-Intelligent Design"を読んでいる。"The Age of Post-Intelligent Design"というのは、その動作の内容をすべて「理解」することのできないボトムアップ式のデザインを活用していく時代のことである。例えば機械学習遺伝的アルゴリズムを活用した研究などがそれにあたる。反対に"Intelligent Design"とはユーザーイリュージョンとしての意識的思考によって生み出されるものだと言える。先まで予想することのできる能力によって生み出された"Intelligent Design"(電子回路など)を活用して進化のアルゴリズムの力を使う"Post-Intelligent Design"は新しい時代の技術と言えるのかもしれない。結局、人間がデザインしたものの動作はすべて理解されうるというのは、意識的思考が脳内で起こることをすべて理解できているという思い込みと同じものなのだろう。機械学習による判断が「託宣」だとか言って忌避感を持つのはこの辺りに原因があるのかもしれない。そもそも"Intelligent Design"にしても、例えば日常的に使っているこのラップトップの内部動作がどうなっているのかなんて知らないのだ。