2017/4/4

旅行先なので切れ切れといろいろなことを考えていた。方言というものがあり私も関西弁を使うが、標準語などの他の方言や自分のものと違うイントネーションの関西弁に違和感や忌避感を持ったりする。方言というのも慣習という形の1つのミームだから、それら同士で生存競争をしているのだろう。宿主に他の方言を拒否させることができれば、方言ミームは宿主の脳というニッチを守ることができる。

倉田タカシの『母になる、石の礫で』という小説では3Dプリンターによって3Dプリンターを出力している。その際出力のエラーによって出力された3Dプリンターは出力する3Dプリンターよりも精度が落ちる。新しい3Dプリンターを他の方法で作れない環境では3Dプリンターの精度は不可逆に下がり続けるのである。さて、同じように自己複製のプロセスである進化とこれは何が違うのだろうか。3Dプリンターの複製には明確な設計図がある。反対に進化に設計図は存在しない。オリジナルを理想とするならエラーを避けられない複製は単なる劣化だが、目指すべき理想のない自己複製は新たな形質を生み出す進化と呼ばれるのだ。なかなか面白い対照だと思う。