2017/3/14

今日は『存在と時間』を読むのが楽しくて始終挙動不審だったと思う。読んだのが「死への先駆」と「決意性」という別々に検討された二つの概念がバッチリ合致するということを証明するパートで非常に気持ちよかった。数日前にはつまらないとか書いていたと記憶しているのでテンションの落差が激しい。おそらく春の陽気のせいだろう。そういうことにしておく。

そういえば被投的投企とデネットが"Elbow Room"で展開する責任論の関係を考えていた。「現存在」は自分自身の根拠ではないのに自分の行動に責任を持たなければならない。またデネットは自分が今置かれている状況に責任を持てなくても(例えばどの親から生まれるのかについて責任を持てない)、これから行うことには責任を持たなければならないということを言っている。論証としては、こう考えなければ「責任のある振る舞い」というものがそもそも不可能となってしまうということからこの帰結が導かれる。「責任を持てない状況」と「責任ある行動」という矛盾する二者の弁証「法」的な構造は両者に共通するものがあるだろう。