2017/11/18

デネットの"The Interpretation of Texts, People and Other Artifacts"という論文を読んだり、『心の哲学 新時代の心の科学をめぐる哲学の問い』という本を斜め読みしたりしていた。デネットの論文では「解釈」という方法が文章、人間の行動、デザインに適…

2017/11/3

諸事情でゲオルグ・ジンメルの『社会学の根本問題』を読んだ。色々と面白い点があって良い本だったが、とりあえず印象に残った第4章「十八世紀及び十九世紀の人生観における個人と社会(哲学的社会学の例)」について書こうと思う。焦点となるのが「個人」と…

2017/10/17

セラーズ"Science, Perception, and Reality"の四つ目の論文"The Language of Theories"がわからなすぎて三日くらい悶々としていた。概ねわかってきた気がするうちに書いておこう。まずこの論文は理論言語の言明とその対象の実在性をテーマとしている。まず…

2017/10/13

セラーズ"Science, Perception, and Reality"の三つ目の論文"Phenomenalism"の最後の章"VIII. Beyond Sense Impressions"について。ここまでの論述で現象学というものがボコボコにされ終わり、その帰結を何点か確認するセクションになっている。現象/感覚対…

2017/10/11

セラーズ"Science, Perception, and Reality"の三つ目の論文"Phenomenalism"、"IV. The New Phenomenalism"について。新現象学と呼ばれるアプローチでは古典的現象学(第一のアプローチ)での問題である現象の法則性についての説明を、演繹的に想定される観…

2017/10/9

セラーズの"Science, Perception, and Reality"の三つ目の論文"Phenomenalism"の2章〜3章を読んでいた。1章で「直接実在論」が現象学に限りなく接近していく様子が見られたが、ここでは「古典的現象学」のアプローチが詳しく検討されている。そのアプローチ…

2017/10/5

息抜きに読んでいる丸山真男セレクションの『肉体文学から肉体政治へ』という論考が面白かった。文学などの「フィクション」と社会制度が重ね合わされていて、鋭い視点だと思った。社会契約などの社会制度は人間の知性がなんらかの目的のために作り出したで…

2017/10/3

セラーズの"Science, Perception, and Reality"の二つ目の論文"Being and Being Known"の後半部分"The Isomorphism of the Intellect and the Real"を読んでいた(二回目)。ここでは知性と物理的な世界の間のアナロジー関係というものが詳細に語られている…

2017/10/2

セラーズ"Science, Perception, and Reality"の二つ目の論文"Being and Being Known"を読んでいる(二回目)。前半部分ではトマス的な認識論のシステムの批判として大変込み入った議論が展開されている。ちゃんとわかっているのか微妙だが頑張って要約したい…

2017/9/29

今日もScience, Perception, and Realityの"Philosophy and the Scientific Image of Man"を読み返して見つけたところを書いておきたい。一つは以下の部分でこの前の箇所でSellarsは感覚を神経生理学的なプロセスに還元することは現状では難しいと述べている…

2017/9/27

今日もScience, Perception, and Realityの"Philosophy and the Scientific Image of Man"をうろうろしていた。気になったのが"predictable"と"caused"を分けているこの部分で、はじめそれ以前の部分で言われる"character"と"nature"のことを指しているんだ…

2017/9/26

セラーズのScience, Perception, and Realityの"Being and Being Known"を読んだところあんまり意味がわからないので"Philosophy and the Scientific Image of Man"から読み返すことにした。この部分を読むのは2回目だが様々な発見がある。例えばmanifest im…

2017/9/20

"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"を読み終わった。最後の6章ではこれまでの議論を振り返りつつ、筆者たちの検証主義的立場が単なる経験論ではないという点が論じられていた。確かに科学が検証によって進められるという立場は経験論的ではある…

2017/9/19

"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"の5章まで読み終わった。この章で面白かったのが"indexical redundancy"という概念だった。これは同じリアルパターンが観測されうる範囲を表す概念となっている。あるリアルパターンがより広い領域で観察され…

2017/9/15

"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"における筆者たちの「存在論的構造実在論(OSR)」が細かく見えてきたので、そこでトークンとタイプの区別がどう考えられるのかが気になった。「ロケーター」はタイプ/トークンの区別にはコミットしていない…

2017/9/14

昨日"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"におけるリアルパターンと数学的構造の形式的対応づけについて書いたが、「ロケーター」の扱いについて勘違いしていた気がする。数学的構造を実装する関数の変数(ロケーター)同士の関係が計算的に圧縮…

2017/9/13

今日も"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"を読んでいる。4章4節"RAINFOREST REALISM"ではデネットのリアルパターンと数学的な構造の対応が形式的に議論されている。あまりよくわかっていないと思うがなんとか再構成してみたい。数学的な構造は…

2017/9/12

今日もまた"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"を読んでいる。第4章2節ではデネットの"Real Patterns"という論文について検討されていた。筆者たちはその論文の基本的な主張については同意しつつも、デネットが実在論と道具主義のどちらをとって…

2017/9/10

またしても"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"を読み進めている。第3章まで読み終わった。第3章は具体的な現代の物理学上の論争を通覧して筆者たちの(存在論的)構造実在論を基礎づけていた。かなり分からない部分がありなんとか誤魔化しなが…

2017/9/2

急に相対性理論について知りたくなったので図書館で『相対性理論 常識への挑戦』という本を借りて読んでいた。22歳にもなって夏休みの自由研究をする小学生のような行動で悲しくなる。光の速度が一定なので相対的に運動していると時間や空間が変化するという…

2017/8/30

今日も"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"を読んでいる。2章を読み終わったところで筆者たちの言う構造実在論というものが大体見えてきた。これはこれまでの科学的実在論のようになんらかの個物に実在性を与えるのではなく、現象間の関係性な…

2017/8/29

相も変わらず"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"を読んでいる。2章は"Scientific Realism, Constructive Empiricism, and Structuralism"という題で科学的実在論、ファン・フラーセンの構成的経験論の紹介と検討、また筆者らの立場である「構造…

2017/8/15

図書館で見つけた『量子革命』という本を読んでいる。物理学の理論の話が平易に記述されていて読みやすく、また綺羅星の如き物理学者たちの人間関係が生き生きと描かれているので読んでいて楽しい大変良い本だと思う。出てくる人物がぽこじゃかノーベル賞を…

2017/8/13

そういえば最近箸休め(?)にプラトンの『パイドン』を読んでいて、「霊魂不滅の証明」のあたりを読み終わった。心身二元論に反対するものとしてこの証明にはすべて反論しなければならない。概ね「魂」という言葉の定義が曖昧で、いろいろなもの(意識、生…

2017/8/12

今日も"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"を読んでいてあんまり盛り上がるところはなかったが以下の部分を取り上げておきたい。 However, there is a frequent tendency to go on to use the primacy of fundamental physics as if classical p…

2017/8/10

相も変わらず"Every Thing Must Go: Metaphysics Naturalized"を読んでいる。筆者たちが考える正しい形而上学のやり方というのは以下のようなものであるらしい。 Any new metaphysical claim that is to be taken seriously should be motivated by, and onl…

2017/8/9

今日も"Every Thing Must Go"を読んでいた。各々の分析哲学者がどういった主張をしているかという点はまあいいとして筆者の科学の線引き問題についての見解がおもしろかった。科学は方法論や扱う主題によって科学なのではなく、科学を行う共同体の中でエラー…

2017/8/8

今日も"Every Thing Must Go"を読んでいる。分析形而上学がいかにダメなのかということが語られているパートで、その批判は以下のようになっている。分析形而上学は直観を形而上学の基礎として、例えば原子論のような思考にたどり着くがそれは現代の物理学と…

2017/8/7

発表も終わったのでのびのびと研究しようと思ってJames LadymanとDon Rossの"Every Thing Must Go"という本を読んでいる。とりあえずは「分析形而上学(analytic metaphysics)」というものが批判されているのだがそもそも分析形而上学がなんなのかよくわか…

2017/8/1

『ダークナイト』しか見たことがなかったのでネットフリックスで『バットマン・ビギンズ』から三部作を見ていた。『ダークナイト』だけ異色な作風で『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト・ライジング』はヒーローアクションとして王道の作りだったように…